もう一度 恋をするなら
それからの時間は、あっという間に過ぎた。会話が途切れることなく続く。私のことを話したら、次は彼がその頃の自分のことを話して、交互に埋めていく。
私は莉子ちゃんと再会した時のことや親が結局離婚したこと。看護大学に進んでからはもう両親とは疎遠になって、今で母親からたまに連絡がある程度だということ。
弓木くんの方も同じようなものだった。
「親父は何もなかったって言ったけど、そんなの俺らにはわからないだろ。元々、親父は昔っからモテてたらしいし……それも本当か知らねえけど。大学進学したと同時に家を出て、あとは今井さんと同じだよ。たまに連絡とる程度」
さんざん振り回された、という感覚は私と弓木くん共通の感情のようだ。
「別に、もう子供じゃないし恨むとかそういうのはないんだけどな」
「わかる、それ。かといって積極的に親子交流したくはなくて……育ててもらったというのもその通りなんだけど」
「ずっと目を逸らすわけじゃないけど、もう自分のことは自分で決めたい。そう思って早く自立したかったんだよな、あの時は。絶対稼げる仕事に就こうと思って」
「私もそう。ひとりで生きられるようにならなきゃってなると医療関係が一番だったの。職種はたくさんあるし人手不足で職に困ることはなさそうだなって。あんまり、立派な志みたいなのはなくて患者さんには申し訳ないんだけど」
「そんなもんだろ。普通だよ」
社会人になってからのことはお互いに恋愛の話にはなぜか触れなかった。その代わり、再会してからの話になると聞きたいことがあれこれと出てくる。
「そういえば今の会社にはどうして? 途中入社だよね?」
「前の会社はMR同志で足の引っ張り合いが多くて。キャリアアップも狙って転職活動して、今の会社」
さらっというけど、MRの採用なんてかなり難しいのじゃないだろうか。
「再会した時はびっくりしたけど、弓木くんすぐ目を逸らしたでしょ。やっぱり嫌われてるのかと思ったんだけど」
「いや。あれは、だって驚くだろ。そしたら今井さん初めてみたいな挨拶するし……今井さんにだけいきなり話しかけたら変に思われるだろうとか……迷惑かもしれないとも」
私は莉子ちゃんと再会した時のことや親が結局離婚したこと。看護大学に進んでからはもう両親とは疎遠になって、今で母親からたまに連絡がある程度だということ。
弓木くんの方も同じようなものだった。
「親父は何もなかったって言ったけど、そんなの俺らにはわからないだろ。元々、親父は昔っからモテてたらしいし……それも本当か知らねえけど。大学進学したと同時に家を出て、あとは今井さんと同じだよ。たまに連絡とる程度」
さんざん振り回された、という感覚は私と弓木くん共通の感情のようだ。
「別に、もう子供じゃないし恨むとかそういうのはないんだけどな」
「わかる、それ。かといって積極的に親子交流したくはなくて……育ててもらったというのもその通りなんだけど」
「ずっと目を逸らすわけじゃないけど、もう自分のことは自分で決めたい。そう思って早く自立したかったんだよな、あの時は。絶対稼げる仕事に就こうと思って」
「私もそう。ひとりで生きられるようにならなきゃってなると医療関係が一番だったの。職種はたくさんあるし人手不足で職に困ることはなさそうだなって。あんまり、立派な志みたいなのはなくて患者さんには申し訳ないんだけど」
「そんなもんだろ。普通だよ」
社会人になってからのことはお互いに恋愛の話にはなぜか触れなかった。その代わり、再会してからの話になると聞きたいことがあれこれと出てくる。
「そういえば今の会社にはどうして? 途中入社だよね?」
「前の会社はMR同志で足の引っ張り合いが多くて。キャリアアップも狙って転職活動して、今の会社」
さらっというけど、MRの採用なんてかなり難しいのじゃないだろうか。
「再会した時はびっくりしたけど、弓木くんすぐ目を逸らしたでしょ。やっぱり嫌われてるのかと思ったんだけど」
「いや。あれは、だって驚くだろ。そしたら今井さん初めてみたいな挨拶するし……今井さんにだけいきなり話しかけたら変に思われるだろうとか……迷惑かもしれないとも」