白い結婚なんて絶対に認めません! ~政略で嫁いだ王女は甘い夜を過ごしたい~【全年齢版】
 温かな両手が頬を包み込んで唇が重なった。
 何度も重ねては離し、啄む。熱い舌先に唇をなぞられ、肩がびくりと強張ってしまった。
 驚いただけなのだけれど、怯えたと思われてしまったかもしれない。勇気を出して薄く唇を開く。この反応で合っているだろうか。本には深い口づけだと舌同士を絡めると書いてあった気がする。

「ふぁ……」

 吐息がこぼれた。
 舌が絡まると初めての感覚が身体中に広がる。
 これも本に書いてあった。
 控え目に甘く優しい、情熱的な激しい口づけ。とても難しいことだと思っていた。でも好きな相手とだと自然にできるのだと知った。

 ぎこちなくアルバートの舌を探し、おずおずと自ら絡める。
 奥底から強い想いが湧き上がって溢れてしまいそうになった。

 それはとてもシンプルで、真っすぐな想いだ。
 アルバートが、欲しい。
 長い、長い口づけの後、唇が離れて行く。
 頭がぼうっとする。でも、こんなので終わりじゃない。本でも口づけの後のことの方がたくさんページを割かれていた。

「あの、変じゃ、ないですか……?」

 とうとう不安が募りすぎて尋ねてしまう。
 変ならいっそのこと、もう脱いだ方が良いと思ったのだ。

「変、とは?」
「あの、下着が……。肌が透けていたりして大人っぽいので、わたくしには、あの」
「とてもよく似合っていて可愛いと思います。今度は私からプレゼントさせて下さい」
「は……、あ、んっ!」

 はい、と返事をしかけて全く別の言葉に塗り替えられた。
 自分でも聞いたことのない、甘えるような高い声があがった。

 下着ごとふくらみをやんわりと揉みしだかれ、頂上の飾りを探るように指先が優しく円を描く。生まれて初めて愛撫を受けて身体の奥に炎が灯ったような気がした。
 簡単に見つけられた小さな突起は、ふるりと震えながら存在を主張しはじめる。柔らかな布地に擦れると背中にぞくぞくとしたものが通り抜けた。

「アルバート、様……切ない、とても、切ないの」
「リジィ。アル、と。そう呼んで下さい」
「アル、様」

 触れられているのは胸だけなのに身体中が、下腹部が切ない。
 甘えた声があがってしまうのがとても恥ずかしくて、声を振り絞った。

「あの……アル様は、大きい方が……お好き、ですか?」
「大きさではなく、あなたの胸が好きです」

 肝心の主語はなかったけれど、状況的に何について聞いたのか伝わったようだ。
 初めての夜にも、同じことを聞いた。あの時は答えなんて返してもらえなくて、でも――プリムローズの胸が好きだと言ってくれるのは嘘でも嬉しい。

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