遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
誤算
お風呂が溜まり2人で一緒に湯船に浸かった。
狭いけど引っ付くのはお互い好きだから苦ではない。
「俺さ…この旅行の後、北海道に行くんだよ」
「誰と?」
「実は写真集が出るんだ」
「写真集?慶太くんアイドルじゃん(笑)」
「ぜーったい秘密な」
「わかってるよ」
「でもさ、写真集が出た後にドラフト落ちたらって考えるとまだ出すのは早いのかなって思って凄く不安なんだよ」
「発売日は大体決まってるの?」
「まだだけど大体半年後くらいが多いらしい」
詩織が指を折っていく。
計算せずに「いち、にー、さん……」と言うところはいつも慶太は可愛いと思っている所だ。
お父さんに付き合って何年?と聞かれてもすぐに答えれない所も覚えてないのかよとは思わず可愛いと思ってしまう。
「3月頃……えっ、ねぇ、結婚したら写真集売れないよね、やっぱり遅らす?」
「それも実は考えてたんだよな……」
「だめだよ、絶対」
詩織は不安そうな顔をした。
熱くなったとお風呂から上がり水分を取った。
「いつ写真集の話は決まったの?」
「全日本の試合が終わって…向こうで聞いたから8月かなぁ」
「言ってよ〜」
「でも詩織の話の方が先だったし、何だよ、籍を入れたくないのかよ」
慶太は拗ねた。
「入れたいけど写真集の話がなくなるかもしれないよ?そこは確認というか、契約書みたいなものはあるんじゃないの?」
「あるのかな…マネージャーとかいないしわからない」
「絶対結婚はだめだよ慶太くん」
「自由じゃないのかなぁ」
「甘いよ!買うのは女性が多いんだからね、慶太くんは自分のかっこよさを自覚してなさすぎるよ」
珍しく詩織がしっかりと話している。