遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
結成
朝、詩織は6時に起きて支度をしていた。
「慶太くん、起きて、私そのまま会社に行くよ」
「ん…着替えとかは?」
「会社の部室の方のロッカーに色々予備は置いてある」
「…わかった」
慶太くんは朝は弱い方ではないが昨日は滅多に飲まないアルコールのせいで起きれない様子だ。
「ホテル代をここに置いておくから」
「んー、サンキュ、あっ部屋の鍵も」
「あっ、そっか、じゃあ夜にね」
詩織はそのまま会社に行ったのだった。
出社すると同僚達に左手の薬指を見つけられた。
「あっ、これは…あの…普通のファッション指輪で結婚指輪じゃないんです」
と説明しても、でも彼氏からでしょーと聞かれ、そこは素直に「はい」と答えた。
「どんな人?」と聞かれたが
「すみません、まだ言えなくて…監督にもまだ報告してないんで」
とりあえず同じ会社の人ではないですと言っておいた。
「また教えてね」と課の先輩達に言われてしまったのだった。
せっかく慶太くんがくれたから付けておこうかな…
初めてのアクセサリーのプレゼントだし、いつも誕生日とかは食事を奢ったりしてたけど会えなくなってからは何もお互いあげてなかったし…ふふっ、嬉しい。
練習後ミーティングルームに詩織と松平はいた。
「考えてみた?」
と松平に聞かれ、あまり考える時間はなかったと正直に答えた。
「あっ、昨日電話もらってたみたいでごめんね、気づいたの遅くて……」
「いや、遅い時間に電話したから、こっちこそごめん」