遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる
練習が終わり、詩織は2日ぶりに家に向かうとマンション前に慶太くんが立っていた。
「えっ、びっくり!」
「お疲れさん(笑)」
詩織は鍵を開けて慶太を部屋に入れた。
「誰にも会わなかった?」
「うん」
「どこかの店で待ってたら行ったのに」
詩織はシャワーを急いで浴びに行った。
冷蔵庫には2人の好きなブラックコーヒーがいつも入れてある。
慶太はそれを飲んで待っていた。
髪の毛をバスタオルで拭きながら出てきた詩織は慶太に引っ張られると髪を拭いてくれて、ドライヤーもかけてくれたのだ。
「明日何時の新幹線で帰るの?」
「昼くらいかな」
「じゃあ、泊まるつもりで来た?」
「うん」
「ありがとう、来てくれて」
「会える時は会う約束だろ、ちゅっ」
嬉しい……
「今日は1週間の予定を話そうと思ってさ」
ざっとスケジュールを組んでみたと、スマホのメモ機能を出した。
土曜日の新幹線は夕方着の時間を予約してあり、広島なら11過ぎの便に乗らなければならない約4時間の長い旅だ。
もちろん体が大きい慶太はグリーン車両だ。
ホテルはセミダブルのツインルームを2泊予約と書いてあった。
「これから後を広島で観光するか、名古屋に旅行に行くか悩んでる」
「名古屋って…怜奈達に会うってこと?」
「まあ…」
「嬉しい!」
昼間に川辺くんと話したけど夜詩織に聞いてからと連絡をとっていたらしい。
早速詩織は怜奈にビデオ通話をした。
後ろから慶太が顔を覗かせる。