遠距離恋愛でも繋ぎ止めておきたい天然彼女が可愛いすぎる

予定を決めたら慎吾にLINEしとくと慶太が話して通話を切った。


「シルバーウイーク前だから新幹線もホテルも空いてた」


横になり、話しながら休みの予定を立てていると詩織は慶太の腕を持って眠っていた。


朝、出勤の時に慶太くんに合鍵を渡しておいた。

「また持ってていいの?」

「金曜日、多分慶太くんの方が早いでしょ」

「わかった、何か夕食作っておく」

「ありがとう、じゃあ行ってきます」

ちゅっとキスをして先に詩織が家を出た。


金曜日には少しミーティングがあり、会社を出ると松平くんが待っていた。

「明日から1週間いないなら食事でも行かないか?」

またご飯のお誘いか…あまり行くのは好きじゃないって言ったのにどうして誘ってくるんだろう…

「ごめんね、明日からの支度をしなくちゃいけないの、実家に帰るんだ」

「実家に……そっか…あっ、じゃあ送る」

2人は家に向かって歩き出した。

「この前さ、俺、江藤の事怒らせた?」

「いつの事?」

「わかんないなら……うん、いいや」

「そう?」


「まあ、ゆっくり休んでこいな」

「うん、ありがとう、じゃあ」


詩織が部屋に入るとベッドで慶太くんが寝ていた。

「帰ったよ、慶太くん」

「ん……おかえり、寝ちゃってたわ」

ちょっとミーティングがあって遅くなっちゃったと説明をして、ご飯にしようかと冷蔵庫から出して温める。

窓際に慶太くんのスーツケースと夏用のジャケットとスラックスがハンガーにかけてあった。
< 98 / 148 >

この作品をシェア

pagetop