暁に星の花を束ねて
「申し訳ございません。わたくしの不覚にて……今、外します」

葵の視線が震える。拘束具の光が、脈動するように彼女の体表を走った。
装置の警告音がかすかに鳴る。

「だめっ! これは、わたしと一体化してるの。心音や体温が因子とリンクしてる。切り離したら、放出されるの!」

玉華は一瞬、眉をわずかに寄せた。
指先を止め、制御パネルを一瞥する。

「……なるほど。檻であり、爆心地でもある、というわけですね」

低く分析するような驚くほど静かな声。
その声音には焦りよりも、冷静な理解と覚悟があった。

葵は浅く息を吐く。
頬は青ざめ、指先は冷たい拘束具に震えている。
その瞳には恐怖ではなく、静かな諦めが灯っていた。

「わたしのせい……だから、逃げて、玉華さん……もう、時間が……」

壊れかけた照明が瞬き、玉華の白い横顔に影が走る。
そして迷わず強く口を開いた。

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