暁に星の花を束ねて
その視界に影が割り込む。
スーツの上着を脱ぎ捨て、背筋を伸ばして立つ男。
少名彦凛翔。

「ようやく目覚めたか。薬が効きすぎたら困ると思ってな」

「これはこれは……少名彦の御子息。商談以来の再会ですな。ずいぶんと……実務にまで踏み込まれるようになられた」

周囲を見渡す。

「取調室にしては趣味が悪い。……おかげで懐かしい夢を見た」

皮肉を吐きながらも、彼の瞳は冷静に、空間の構造と死角をなぞっていく。

「逮捕状命令発令者……CENTRAL EXECUTIVE。暫定指揮権限コードCE-07……」

小さく息を吐いた。

「最上層だけに許されたゴーストネームだ」

「ふふ。さすが部長。いや、元部長、か?」

凛翔は口角を上げた。

その笑みには長年の劣等感と、ようやく超えたと信じて疑わぬ傲慢さが滲んでいた。

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