暁に星の花を束ねて
「それとも、あんたはまだ自分が権限を持っていると思ってるのか?」

佐竹は息をひとつ、静かに吐いた。
凛翔は苛立ったように言葉を続ける。

「……驚かないんだな。随分と余裕じゃないか」

「観察対象には、感情を向けない主義でな」

凛翔の眉が動いた。
佐竹は、その微細な揺れすら見逃さない。

「それで。 拘束している理由を説明する勇気もないのか」

「……何?」

佐竹は、ただ視線を逸らさなかった。
それだけで十分すぎるほどの答えだった。

それを打ち消すように凛翔は口を開く。


「強がりは死ぬ間際まで有効らしい。だが残念だな、佐竹蓮。あんたにはもう戻る場所はない。
SHTは変わる。旧世代は消えるべきなんだよ」

「変革の名を借りて、他人の首を絞める。実におまえらしい改革だ」

声には怒気も嘲りもなかった。
ただ静かに、すべてを見透かす冷たさだけがあった。
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