暁に星の花を束ねて
「佐竹さん!! どうして、誰にも何も云わなかったんですか!?」
泣きながら怒る葵。
「誰も巻き込みたくなかったからだ」
葵の怒りをよそに、いつものように淡々と答える佐竹。
さらに怒り心頭の葵。
「死んでいたかもしれないんですよ!?」
葵の声も体も震えていた。
怒りと恐怖と、まだ消えきらない不安が混ざっている。
佐竹は、わずかに目を伏せる。
「戦略部門は優秀だ。おれがいなくても動くよう、育て上げた」
「そういう問題じゃないんです!!」
少しの沈黙。
それから、視線を上げて、まっすぐに葵を見る。
「おまえが必ず止めると信じていた。……だから、想定より怒られているのは予想外だ」
乾いた冗談のように、佐竹はつぶやいた。
その声音はほんのわずかに、柔らいでいた。
「ばか……!!」
葵の喉が、詰まる。
「佐竹さんは……っ、大バカです……!」
こらえきれなかった涙が、頬を伝って落ちた。
「どうして……どうして、そんなふうに……自分のことだけ……」
震える拳で、佐竹の胸元を軽く叩く。
力などまるでない。
けれど、その一打一打に、こみ上げた感情が詰まっていた。
「心配して心配して……本当に、心配してたんですよ? 遺書みたいなメッセージも、残して……生きてるのに!
ここにいるのに……っ。いなくなるかもしれないなんて、考えさせないでください……」
肩が小さく揺れている。
佐竹は、すぐには何も云わなかった。
ただ葵の細い手首をそっとつかみ、 胸に抱き寄せた。
「……悪かった」
低い声が髪越しに落ちる。
「温室でおまえをパスワードにした、と伝えた時点でわかっていると思った」
「わかるわけないです!!」
葵の声が跳ねる。泣き声まじりの怒りだった。
「そんな……そんなの……わからないです。
……普通は……思わないですよ……!」
震える肩。潤んだ瞳。
言葉の先は、恥ずかしくて、苦しくて、云えない。
佐竹は一瞬だけ、目を見開いた。
泣きながら怒る葵。
「誰も巻き込みたくなかったからだ」
葵の怒りをよそに、いつものように淡々と答える佐竹。
さらに怒り心頭の葵。
「死んでいたかもしれないんですよ!?」
葵の声も体も震えていた。
怒りと恐怖と、まだ消えきらない不安が混ざっている。
佐竹は、わずかに目を伏せる。
「戦略部門は優秀だ。おれがいなくても動くよう、育て上げた」
「そういう問題じゃないんです!!」
少しの沈黙。
それから、視線を上げて、まっすぐに葵を見る。
「おまえが必ず止めると信じていた。……だから、想定より怒られているのは予想外だ」
乾いた冗談のように、佐竹はつぶやいた。
その声音はほんのわずかに、柔らいでいた。
「ばか……!!」
葵の喉が、詰まる。
「佐竹さんは……っ、大バカです……!」
こらえきれなかった涙が、頬を伝って落ちた。
「どうして……どうして、そんなふうに……自分のことだけ……」
震える拳で、佐竹の胸元を軽く叩く。
力などまるでない。
けれど、その一打一打に、こみ上げた感情が詰まっていた。
「心配して心配して……本当に、心配してたんですよ? 遺書みたいなメッセージも、残して……生きてるのに!
ここにいるのに……っ。いなくなるかもしれないなんて、考えさせないでください……」
肩が小さく揺れている。
佐竹は、すぐには何も云わなかった。
ただ葵の細い手首をそっとつかみ、 胸に抱き寄せた。
「……悪かった」
低い声が髪越しに落ちる。
「温室でおまえをパスワードにした、と伝えた時点でわかっていると思った」
「わかるわけないです!!」
葵の声が跳ねる。泣き声まじりの怒りだった。
「そんな……そんなの……わからないです。
……普通は……思わないですよ……!」
震える肩。潤んだ瞳。
言葉の先は、恥ずかしくて、苦しくて、云えない。
佐竹は一瞬だけ、目を見開いた。