暁に星の花を束ねて
「何か盛り上がってますね」

涼やかな声とともに、カフェのガラス扉が開いた。

「片岡課長、佐竹部長!」

星野葵と桐生結衣が振り返ると、そこにはさっきまで会議室にいたはずのふたりの姿があった。

「すみません、うるさかったですか?」
「いえ、そんなことはありません。いま会議が終わって……お二人の姿が見えたものですから。お邪魔したのはぼくらの方です」

片岡が笑みを浮かべる。

「ご一緒しても?」
「もちろんです! むしろ待ってました」
「?」

片岡は少し首を傾げ、佐竹はいつもの黒手袋のまま無言で隣の椅子に腰を下ろした。

「ちょうど良かった……ちょっときいてもらえませんか?」
「なんでしょう?」

結衣はミルクティーのカップを、ぎゅっと包みこむように両手で握る。

「シンデレラって、どう思われます?」

一瞬、空気が止まった。
葵が口を開く。

「戦略的視線でみたらどうなのかなって話をしていたんです。そのタイミングでお二人が現れたので……ぜひ意見をお伺いしたくて」

佐竹は端末でコーヒーをオーダー済ませると、ゆっくりと視線を上げる。
そして低く、いつもの無機質な声で応じた。

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