暁に星の花を束ねて
「非効率だな」

ばっさり。
いきなり斬り捨てられて葵は思わず肩をすくめた。

「理不尽な労働環境に耐えて、ドレスも靴も他人任せ。肝心な場面で時間を守れず、証拠品……靴を現場に残す。戦略としては、失敗の連続だ」

「そ、そこまで云わなくても」

抗議するように見上げた葵に、佐竹はふと目を向けた。
その視線は鋭く、それでいてどこか優しさをはらんでいる。

「だが……」

一拍、そしてわずかに口角が動いた。

「最後には勝つという点だけは、評価してやってもいい」

「……え?」

「すべてが整ってから動くのでは遅い。泥の中にいても抜け出す意志があるなら、それは戦略に変わる」

沈黙が落ちた。
葵も、結衣も、片岡も。
その言葉にふと聞き入ってしまった。

「さすがですね、佐竹部長」

片岡が照れ隠しのように苦笑する。
結衣はぱちぱちと拍手しながら、半ば呆れたように笑った。

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