暁に星の花を束ねて
「復讐よりもずっと深い守り……ということですね」

葵がぽつりとつぶやいた。

「ひゃ〜……」

結衣が頬を押さえてのけぞるり、片岡も笑いながら呟く。

「まさかのお姫さま強制連行パターンですね」
「佐竹部長、騎士でも王子でもなくて、もはや将軍ですよ」

「し、将軍……!」

「それに復讐しない、連れていくって……最強の好きの云い換えじゃないですか」

「わ、わぁぁ……!」

葵は耳まで真っ赤にし、机に突っ伏した。

「でも、ほんとにやりそうですよね。どんなに『いいです、帰ります』って云っても……」

結衣が佐竹の声を真似る。

「『却下だ。おまえの居場所は、こっちだ』……とか? ね、佐竹部長」

「……っ!!」

葵は机から顔を上げられなかった。
その背中が小さく震えているのは……笑っている証だった。

「佐竹さんは……黒手袋の王子将軍です……」

顔をあげた葵がぽつりと呟くと、結衣は噴き出した。

「なにそれ、肩書き盛りすぎ!」
「でも外れてないのが、またいいですね」

片岡がオーダーしたカフェオレを手にする。
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