転生幼女と宰相パパは最強コンビ
「おちゃかい、ばしょ、わかゆ?」
「もちろんでございますとも。ええと、リリカお嬢様、泣くのはどうなさいます……?」
「だいじょぶ、なんとかしゅる」

 マーサに鏡を持っていてもらい、ほっぺたをぎゅぎゅっと捻る。
 痛い。でも、まだ、駄目だ。もうちょっと。
 しばらく右に左にと捻っていたら、ほっぺたが赤くなった。

「あーん!」

 泣いてみようと試みるが、ウソ泣きなんてしたことなく、涙は出ない。そこで、玉ねぎだ。

「マーシャ、玉ねぎをくだちゃい」
「……本当によろしいのですか?」

 マーサは眉をひそめたけれど、リリカの要望通り、半分に切った玉ねぎを渡してくれる。ぐっと唇を引き結んで、リリカは玉ねぎを目に寄せた。

「いたたたたたぁぁぁっ!」

 目がひりひりとして、涙がぼろぼろと出てきた。懸命に目を擦り、痛みを追い払おうとする。溢れた涙を頬にもこすりつけたから、いい塩(あん)梅(ばい)に泣いているように見えるはずだ。

「マーシャ!」
「かしこまりました!」

 マーサがすっとリリカを抱き上げ、リリカはマーサの首にしがみ付く。茶会の会場は、すぐそこだ。

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