転生幼女と宰相パパは最強コンビ
「パパー! パパがいないー! あーん!」

 一度涙を流してしまえば、それを維持するのは難しいことではないが、長時間こんな真似をしているわけにもいかない。マーサはリリカを抱え、茶会の会場に駆け込んだ。
 王宮なので、アークスを警護している騎士もいる。
 けれど、リリカが王宮に出入りしていることは、王宮の騎士ならば知っているし、マーサも顔パスできるように、事前に準備しておいた。

「パパー! パパー! いないー!」

 わんわん泣いていたら、逆に楽しくなってきてしまった。今回の人生、生まれてすぐに記憶が戻ったこともあり、子供らしい子供とはいえない過ごし方をしてきた。
 泣きわめくこともなかったから、とっても新鮮な気持ちなのである。

「パパー! パパー! ああああん! パパー! やだー! やだやだ!」

 こうなったら、ノリノリである。マーサの腕の中でのけぞってみようと思ったけれど、バランスを崩したら危ないので、首にしがみ付いたまま大声を上げるにとどめておいた。

「マーサ、どうした?」

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