転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 こうして鍛えていたら、少しでも早くはいはいできるようになるのではないかと期待している。
 どうせ、赤子のうちは寝たり起きたりするものなのだろうし、生活が不規則になる心配はしなくてもいいはずだ。少なくともあと一年ぐらいは。

(精霊使い……ねぇ……)

 薄々とは察していたのだ。
 どうやら、前世とは違う世界に生まれ落ちたらしいぞ、と。
 だって、あの部屋に世話をしに来た人達も、茜を抱き上げてマーサに託した人も、助け出された時、側にいた人達も。
 皆、日本人とは顔立ちが違っているし、生活様式も前世のものとは違っていた。
 ――となると、考えられるのは前世の記憶を持ったまま生まれ変わったということである。
 異世界転生。その言葉が頭に浮かぶ。
 前世の茜は乱読だった。目につくものすべてを読み漁(あさ)っていた。
 浴室にスマートフォンを持ち込んでは、半身浴をしながら電子書籍。
 一人暮らしなのをいいことに、食事をしながら新聞。
 通勤中の電車でも本を読んでいたし、職場の図書館なんて、ぐるりと見回せばいくらでも読むものは見つけられた。
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