転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 大学時代の研究に関係した経済やもともと興味のあった歴史や地理。よく手を出していたのは、それらに関わる本。
 だが、流行のミステリも読んだし、WEB小説にも手を出していた。『異世界転生』という言葉にはなじみがあったのだ。

(……素敵な女神様に会えて、チートな能力をもらうのが定番だと思っていたのだけど!)

 少なくとも、今回の人生、チートは関係ないらしい。

「ぶぶぶぶぶ」

 唇を尖らせると、意味のない言葉を吐き出してみる。
 言葉を発するのに必要な筋肉も鍛えて、早く流ちょうにおしゃべりするのだ。
 マーサとも、いろいろな話をしてみたい。

「あ、あ、だぅ」

 手足をぱたぱたさせて、ベッドの中をずりずりと移動。
 このベッドもとても広い。
 もしかすると、遊び場も兼ねているのかもしれない。
 四方は柵で囲まれているので、ベッドの中を匍(ほ)匐(ふく)前進みたいに移動していても、落ちてしまう心配はない。

「あー、ぷぷぷっ」

 ベッドの柵にしがみ付き、格子の間から手を差し出してみる。当然ながら、何もない。
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