転生幼女と宰相パパは最強コンビ
「イヴェリオ、僕もこれ欲しい。頼んでもいい?」
「もちろんです。帰ったらすぐに用意させましょう」

 公爵家の針子達の仕事はそう多くない。イヴェリオの服は、シーズンごとに必要最低限を仕立てれば充分。
 これからどんどん大きくなるリリカの服は、たくさん仕立てなければならないが、それにしたって仕立てるのはリリカ一人分。
 近頃では、王都の孤児院に行き、繕い物の手伝いをすることもあるのだとか。
 もう少し国内が落ち着いて、夜会などがしばしば開かれるようになれば、針子達も忙しくなるのかもしれないけれど――何か、針子達のできる仕事を考えた方がいいかもしれない。

(うん、これもまたパパに提案だな)

 今のところ、屋敷で他のメイド達の仕事を手伝っているようだが、せっかくの技術、他にも生かせる機会があるのならば、その方がいいに決まっている。

「アーク、これみゆ?」
「それは?」
「あたちのおやちゅ!」

 次に木箱から取り出したのは、屋敷の料理人が焼いてくれたクッキーだ。
 紙箱にたっぷりと納められているのは、リリカひとりが食べるのではなく、他の人達に分け与えることを考慮しての量だ。

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