転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 大事をとって一泊することに、ヴォルガも同意してくれた。
 着替えがないのではと思っていたが、服を汚してしまった時に備えて、皆、着替えは持ってきているらしい。たしかに、畑で転んでしまったら、服がどろどろになってしまったかも。
 先に使者を走らせ借り上げたのは、町一番の宿屋だった。
 馬車から降りた時も、雨が激しく降り続いていた。
 町一番の宿という話だったが、ここはさほど大きくない街だからか、宿屋もそれほど大きくはない。

「……なんと、このような場所に陛下をお迎えできるとは」

 激しい雨から逃れるように、宿に足を踏み入れる。
 一行を歓迎する宿の主は、頭を低く垂れた。
 王都からの距離を考えれば、アークスがここに宿泊する機会はまずないだろう。宿の主からすれば、思いがけない栄誉となるのかもしれない。

「……わあ、しゅごい!」

 感嘆の声が、思わず上がる。
 床は、何種類かの木材を組み合わせたモザイク模様。よく磨き抜かれていて、艶を帯びている。しっかり手入れしなければ、この艶は生まれない。
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