転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 素早くトワを呼び出したリリカはトワに乗り、ヴォルガに横から体当たりした。
 トワはリリカとあまり離れられないので、乗らないという選択肢はなかったのだ。

「……このっ!」

 体当たりされたヴォルガは吹っ飛びかけたが、腕を伸ばしてリリカを掴んだ。
 苦し紛れに伸ばした手が、リリカの腕を掴むのに成功したのは偶然だった。ヴォルガ自身も、リリカを道連れにしようなんて思っていなかっただろう。

「わあああっ!」

 トワの背中から離れ、腕を掴まれたままヴォルガともども水の中に転がり落ちる。
 ざばっと目の前で水が激しく揺れた。その衝撃で、ヴォルガの手が離れていく。

(……まずい、息ができない!)

 リリカとしてこの世に生を受けてからは泳ぎに行くことなんてなかったが、『茜』は必要最低限の水泳はできた。クロール二十五メートルぐらいならばなんとか。

(服、重いな……)

 懸命に水面を目指すが、服が水を吸っていて水面に上がるのは難しい。
 嫌だ、死にたくない。
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