転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 二回目の人生、ようやく楽しくなってきたところなのに。イヴェリオがいて、アークスがいて、マーサがいて、ローゼス、ドミ、それにトワも。
 助けて、誰か、助けて――水の中でもがきながら、心の中で声を上げる。
 と、力強い腕がリリカの身体に回された。

「リリカ、無事か! 息はできているか!」

 水面に顔が出た瞬間、大きく息を吸い込む。
ぷはっと息をしたら、すぐそこにイヴェリオの顔があった。イヴェリオが、水に飛び込んでリリカを救いあげてくれたらしい。

(この人、こんな顔もするんだ……?)

 リリカを見る彼の表情は、今まで見たことがないものだった。恐怖に見開かれた目、小刻みに震える唇。

「リリカ――リリカが、いなくなると思ったら、私は、私は……」
「パパ!」

 そうか、彼はリリカを心配していたのか。そう思ったら、リリカの目のあたりも熱くなってきてしまう。

「あたち、だいじょぶ! だいじょぶ!」

 リリカも懸命に手を伸ばす。抱きしめられている。着ているものはびしょびしょなのに、イヴェリオの体温は温かい。
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