転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 部屋で過ごすぐらいならばベッドから出ても大丈夫だと言ったのに、イヴェリオもアークスも心配しすぎである。

「……あたちはねましぇん! そんなこというなら、ふたりともでていって」

 もう熱も下がったのに、なぜベッドに戻らねばならないのだ。

「……ごめんなさい。そうだよね、部屋で過ごすぐらいなら大丈夫だよね」

 アークスも無茶を言ったのに気づいたらしく、しゅんとしている。

「だが、心配で――」
「パパ?」

 イヴェリオの方は、まだ心配なようだ。リリカから目を離そうとはしない。

「あたち、ごほんよみまちゅ。アークは?」
「僕も、そうしよう」

 リリカとアークスは、ソファに並んで座り、揃って本を膝の上に置く。
 こうしてリリカは、一日アークスとのんびり過ごした。


 * * *



 リリカが川に落ちた瞬間、イヴェリオの世界は止まった。

「――リリカ!」

 水面に映る彼女の小さな姿が消えていく。
 冷静でいなければならないと思うものの、身体が勝手に動く。

「宰相閣下! いけません!」

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