転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 毎日王宮までイヴェリオと一緒に行き、彼の執務室で時を過ごし、一緒に帰ってくるが、彼との接点はなかなか増えない。
 リリカに対する反応が薄いといえば薄いが、二十代の青年が血のつながらない子供を娘にしているだけでも誉められていいと思う。
 あと、まだ顔を合わせたことはないが、親戚のアークスのために懸命になっているのも好ましい。

(パパ、大好き……っと……手紙は、読んでくれたみたいだし。仲良くなりたいのも嘘じゃないしね)

 前に書いた手紙を読んでくれたのなら、今度の手紙もきっと呼んでくれる。

「マーシャ、ふう、ちて」
「かしこまりました」

 リリカの手では上手にできないので、ここはマーサに頼む。
 折りたたんだ便箋を綺麗な封筒に入れて閉じ、封蝋をしてもらう。近いうちに、リリカオリジナルデザインのものを作ってもらう予定だ。

「さて、と……」

 書いた手紙は、あとで執務室の机に置いておこう。

(王様ってどんな子なんだろうな……)

 ソファに戻り、また足先をゆらゆらさせながら考える。
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