転生幼女と宰相パパは最強コンビ
「それは、旦那様が、リリカお嬢様を愛しているからでしょう」
「……愛?」

 愛している、と言われてもピンとこない。
 ピンとはきていないが、なんとなくは理解できるような気がした。リリカを見ていると、アークスに対するのと同じような感情が目覚め始めている気がする。
 最初に、夜鳴草の栽培方法を見つけ出してきた時には、リリカを見直した程度だった。
 この国を立て直すために使えるのであれば、なんでも使うと思っていた。なんでも使うべきだと思っていた、というのもあるかもしれない。
 けれど、近頃リリカを見る度に、じわりと沸き起こる感情。
 今まで気持ちに蓋をして見てこないようにしてきたけれど、幼い頃のアークスを見た時と限りなく近い。

「……そうか。ありがとう、ローゼス」
「私は、何もしておりませんよ」

 ローゼスは微笑むが、イヴェリオは理解していた。
 どうやら、思っていた以上に、リリカは自分にとって大切な存在になっていたらしい。そして、ここまで来たら、その感情を認めないわけにはいかない。


 * * *



 アークスが公爵邸を訪れると聞かされたのは、それから数日後のことだった。
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