転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 イヴェリオが様々な書物を保管している場所に行けるようにしてくれて、リリカの見られる書物の種類は大幅に増えたし、イヴェリオとの仲も少しだけよくなったような気がする。

「ああ。夜鳴草の栽培実験だ。もし、魔力回復薬を大量生産できるようになれば、欲しがる者はたくさんいるだろうからね」
「たくしゃん! あたちも、ほちい!」
「リリカにはまだ必要ないだろう」
「トワとあしょぶ!」

 興奮して、朝食を食べている椅子から転げ落ちそうになる。慌てて手を伸ばしたローゼスが、リリカを元の位置に戻してくれた。

「お気をつけくださいませ、リリカ様。朝食の席で、暴れるのはよろしくありません」
「しょうね。はんしぇい、ちた」

 いきなり椅子から立ち上がるのでは、マナー違反もいいところである。イヴェリオが、ごほんと咳ばらいをしたので、リリカもおとなしく朝食に戻った。
 この屋敷の料理人は、腕がいい。
 テーブルに並べられているのは、焼き立てのパンに、スクランブルエッグや野菜の載せられたプレートとスープ。
 食後には、コーヒーか各種お茶などの飲み物を飲んでから支度を開始する。
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