憂いにひだまり

「新郎、新婦の入場です!」

拍手が沸き起こり、これから新しい門出を迎える二人を拍手で祝福する場内。

今日は高校時代の時からの友人、瀬尾真佳と、真佳が高2の時から付き合っている同級生の小谷くんの結婚式。

「わぁ〜、真佳キレイ!」
「高校の時から付き合ってて結婚って、凄いよね!」

周りからそんな声が聞こえてくる。

わたしは、よく真佳から相談を受けていたから知っているが、真佳と小谷くんだって色々あった。

別れて、復縁を二度繰り返しているし、同棲中に小谷くんの浮気疑惑があって真佳がわたしの家に泣いて家出して来たことだってある。

それでもこうして、二人は一緒に居て、結婚を選んだ。

それは本当に素敵なことだと思う。

泣いて悩んできた真佳を見てきたからこそ、今笑顔でウェディングドレスを着ている真佳を心から祝福出来る。

真佳、良かったね。
おめでとう。

そう思いながら、わたしは拍手をして幸せそうな二人を見つめていた。


披露宴が終わると、次は二次会。

正直、大勢の中に居ることが苦手なわたしはここで帰りたかった。

しかし、真佳の結婚式の二次会前で帰るわけにはいかない。

まぁ、出席者は高校の時の知り合いがほとんどだし、少し参加してから帰ろうかな。

そう思いながら、わたしは二次会にも参加することにした。

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