ゆびさきから恋をする
「お疲れ様。今日も可愛いね」

 高宮さんも相変わらず軽いが不快感はないのは高宮さんの人柄だと思う。いつもこんな愛想を添えてくれるのもいい加減申し訳ないが言い返すのも変に意識しているみたいだからニコッと私も愛想でスルー。

「珍しいですね、どうしたんですか?」

「久世と待ち合わせなんだけど……いない?」

「え?」

 さっきまでいたけれど出て行ったのか。相変わらず忙しい人だ。

「事務所かな。ちょっと待たせてもらいまーす」

 そういって椅子を引っ張ってきて測定している私の隣に流れるように座った。

(慣れてらっしゃる……)

「久世の下で大変じゃない? あいつキツイでしょ、苛められてない?」

「苛められてませんよ? よくしてもらってます」

「嘘、あいつの評判なかなかエグイよ?」

「そうなんですか? あの、お二人はその……」

 会話の感じから親しそうに見える。

「同期。付き合いはそこそこかな」

(同期……)

 そう言う高宮さんの顔をジッと見つめてしまった。

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