ああ、今日も君が好き。
「……あ、来た」
携帯が震える。
それは見吉さんからの返信だった。
「ユッキー何だって?」
「えっと…」
連絡ありがとう。
引越しの日取りは柴田くんの都合の良い日でいいよ。
でも立退きが三日後ならそんなに時間はないよね?
私の方はいつでも大丈夫なので決まったらまた連絡下さい。
遅くまでバイトお疲れ様。
「……リアル女神か」
「柴ケン、顔緩んでるよ」
「えっ!?」
「その顔、気持ち悪いからやめてよね」
「そこまで!?」
でも顔が緩むのは仕方ない。
だって見吉さんが俺なんかにお、お疲れ様なんて…。
嬉しい。
嬉し過ぎる。
「……クッソかわええ」
「だから心の声駄々漏れだってば」
何とでも言え。
「………あ」
「今度は何よ?」
「見吉さんの家に行く時、何か持ってった方がいいよな?」
「そりゃね、暫くの間お世話になるんだから当然でしょう」
「何持ってけばいいと思う?見吉さんって何人家族か知ってる?」
「知らない。本人に聞いてみれば」
「あ、そっか」
サーヤの助言通り見吉さんにメッセージを送ると、すぐに返信が来た。
五人家族だよ。
でも両親は海外に赴任中だから今は弟達と三人で暮らしてるんだ。
「三人…」
「返信来た?」
「それが……五人家族らしいんだけど、今は弟達と三人で暮らしてるんだって」
「へー、じゃあ親フラの心配はなさそうだね」
「親フラ?」
「親フラって言うのは………ま、いいや」
「良くねぇよ。言い掛けといてやめんなよ」
「いいの。柴ケンにはまだ早いから」
「はぁ?」
「兎に角、今は三人家族って分かったんだからそんなに大きいものじゃなくていいんじゃない。ケーキでも買って行けば十分でしょう」
上手くはぐらかされた気がするけど………ま、いっか。
「ケーキか…」
「あたしがオススメのところ紹介してあげる」
「助かる」