黒皇帝は幼女化した愛しの聖女に気づかない~白い結婚かと思いきや、陛下の愛がダダ漏れです~
『第二皇子……覚悟!』
いっせいに斬りかかってきた兵達に、俺と直属の部下である騎士数名だけで応戦したが、予想だにしなかった襲撃に形勢は不利。騎士達は信頼のおける精鋭部隊だ。実力は皇帝の近衛師団にも負けていない。
しかしながら圧倒的数の差というものがある。俺を含めた全員が無傷ではいられなかったが、どうにかその場から脱することができた。
追手をまくために二手に分かれ、それでも追ってきたやつらを足止めするという騎士のひとりと別れた。そして国境を越えたときはひとりきりになっていた。
一昼夜山中を奔走し、ようやく帝国内に戻って来られたとほっとした。――が。
『見つけたぞ!』
出し抜けに物陰から現れた五、六人の男達に、いっせいに斬りかかられた。
普段ならなんということもない人数だが、敵国との決戦直後での暗殺攻防だ。満身創痍でボロボロだった俺は、とうとうまともに太刀を食らってしまう。血しぶきが上がり、脇腹に燃えるような熱さを感じた。
『誰の命令だ』
剣を握った手をだらりと垂らすと、勝ちを確信したのだろう。男のうちのひとりが下卑た笑いを浮かべる。
『次期皇帝の御代に死神はいらない』
次期皇帝! 皇太子か!
異母兄は、帝国が勝利を収めるタイミングで自分が皇帝になり、不要となった俺を始末するつもりなのだ。おそらく父帝もやつに殺されたのだろう。
それを悟ると同時に、男達がいっせいに斬りかかってきた。
剣を握る手に力を込めた。
男達は全員倒したものの、開いた傷口からどんどん血があふれ出しており、これ以上動くのはまずいと近くにあった廃屋に身を隠した。
崩れ落ちるように壁に背を預けた。さっきまでドクドクと脈打ち熱かった部分がみるみる冷えていくのを感じる。
ああ、俺はここで死ぬのか。
視界は白くぼやけ、朦朧とした意識下で自らの最期を知る。
いっせいに斬りかかってきた兵達に、俺と直属の部下である騎士数名だけで応戦したが、予想だにしなかった襲撃に形勢は不利。騎士達は信頼のおける精鋭部隊だ。実力は皇帝の近衛師団にも負けていない。
しかしながら圧倒的数の差というものがある。俺を含めた全員が無傷ではいられなかったが、どうにかその場から脱することができた。
追手をまくために二手に分かれ、それでも追ってきたやつらを足止めするという騎士のひとりと別れた。そして国境を越えたときはひとりきりになっていた。
一昼夜山中を奔走し、ようやく帝国内に戻って来られたとほっとした。――が。
『見つけたぞ!』
出し抜けに物陰から現れた五、六人の男達に、いっせいに斬りかかられた。
普段ならなんということもない人数だが、敵国との決戦直後での暗殺攻防だ。満身創痍でボロボロだった俺は、とうとうまともに太刀を食らってしまう。血しぶきが上がり、脇腹に燃えるような熱さを感じた。
『誰の命令だ』
剣を握った手をだらりと垂らすと、勝ちを確信したのだろう。男のうちのひとりが下卑た笑いを浮かべる。
『次期皇帝の御代に死神はいらない』
次期皇帝! 皇太子か!
異母兄は、帝国が勝利を収めるタイミングで自分が皇帝になり、不要となった俺を始末するつもりなのだ。おそらく父帝もやつに殺されたのだろう。
それを悟ると同時に、男達がいっせいに斬りかかってきた。
剣を握る手に力を込めた。
男達は全員倒したものの、開いた傷口からどんどん血があふれ出しており、これ以上動くのはまずいと近くにあった廃屋に身を隠した。
崩れ落ちるように壁に背を預けた。さっきまでドクドクと脈打ち熱かった部分がみるみる冷えていくのを感じる。
ああ、俺はここで死ぬのか。
視界は白くぼやけ、朦朧とした意識下で自らの最期を知る。