黒皇帝は幼女化した愛しの聖女に気づかない~白い結婚かと思いきや、陛下の愛がダダ漏れです~
「俺がもっと早く彼女の部屋に行っていれば、きっとあんなふうにならずに済んだはずだ」
「そんな! へーかのせいでは――」
「彼女が皇后になったのは神託によるもの。彼女の幸せを帝国の安寧と引き換えにしたのだ。生贄となんら変わりはなかっただろう」
「生贄だなんてっ」
「俺はそんな彼女を何カ月も放っておいた。必要以上に近づかなければ不幸にせずに済むかと思ったが、逆に彼女を命の危険にさらしている。やっぱり俺は死神かもしれないな」
陛下はどこか諦めたような微笑みを浮かべてそう言った陛下に、胸がギュッと締めつけられた。「違う」と言いたいのに、喉が熱くなって声が出せない。
こんなにも優しい人が、死神であるはずがない。
むしろ彼は帝国の英雄だ。彼が身を尽くしたからこそ、この国は他国の手に渡らずに済んだのだ。どうしたらそれをわかってもらえるのだろう。
私の頭を陛下がポンポンと撫でた。その手の温かさに、こらえていた涙がポロリとこぼれる。
「結局こんなことになるなら、最初からそばにいて守ってやればよかった。軍神の正体がこんな臆病者だと知って、おまえもがっかりしただろう」
私は大きくかぶりを振った。陛下は臆病者なんかじゃない。そう言いたいのに、涙が邪魔をする。
「オディリアが無事に目を覚ます願掛けに、ここのバラは彼女以外の誰にもやらないと決めた。そういうわけだから、すまない、ロゼ」
陛下の言葉がうれしくてたまらない。お礼を言いたいのに今の私じゃそれもできない。
『私は――オディリアはここです』
そう伝えたいのに口に出せない、それがもどかしくてたまらない。
「そんな! へーかのせいでは――」
「彼女が皇后になったのは神託によるもの。彼女の幸せを帝国の安寧と引き換えにしたのだ。生贄となんら変わりはなかっただろう」
「生贄だなんてっ」
「俺はそんな彼女を何カ月も放っておいた。必要以上に近づかなければ不幸にせずに済むかと思ったが、逆に彼女を命の危険にさらしている。やっぱり俺は死神かもしれないな」
陛下はどこか諦めたような微笑みを浮かべてそう言った陛下に、胸がギュッと締めつけられた。「違う」と言いたいのに、喉が熱くなって声が出せない。
こんなにも優しい人が、死神であるはずがない。
むしろ彼は帝国の英雄だ。彼が身を尽くしたからこそ、この国は他国の手に渡らずに済んだのだ。どうしたらそれをわかってもらえるのだろう。
私の頭を陛下がポンポンと撫でた。その手の温かさに、こらえていた涙がポロリとこぼれる。
「結局こんなことになるなら、最初からそばにいて守ってやればよかった。軍神の正体がこんな臆病者だと知って、おまえもがっかりしただろう」
私は大きくかぶりを振った。陛下は臆病者なんかじゃない。そう言いたいのに、涙が邪魔をする。
「オディリアが無事に目を覚ます願掛けに、ここのバラは彼女以外の誰にもやらないと決めた。そういうわけだから、すまない、ロゼ」
陛下の言葉がうれしくてたまらない。お礼を言いたいのに今の私じゃそれもできない。
『私は――オディリアはここです』
そう伝えたいのに口に出せない、それがもどかしくてたまらない。