【番外編】イケメン警察官、最初から甘々でした。
美香奈は涼介の髪を撫でながら、そのまま目を閉じた彼の顔を見つめる。彼が静かに眠るようにリラックスしている姿は、普段の冷徹な警部補の顔とはまるで別人のようだ。美香奈の心は、そんな彼に対して、深い愛おしさを感じていた。

「涼介くん」

名前を呼びながら、少しだけ顔を近づけると、涼介は無反応でそのまま目を閉じたままだった。美香奈はその静かな姿に、何かを感じて、そっと涼介の頬に軽く触れてみた。

涼介の肌は温かく、柔らかい。美香奈は少し迷いながらも、涼介が完全にリラックスしている今ならと思い、彼の唇にそっとキスをした。

その瞬間、涼介の体がぴくりと震え、目を急に開けた。

「……え?」

驚いたような声を漏らし、涼介は恥ずかしそうに顔を背けた。美香奈はその反応に思わず笑みをこぼし、涼介の顔を手で優しく引き寄せて、もう一度、軽く唇を重ねた。

涼介の顔が真っ赤になり、目を大きく見開いて、完全に照れている様子が見て取れた。普段、冷静で無表情な彼が、こんなにも赤くなるなんて美香奈にとっては新鮮で、少し嬉しい気持ちにもなった。

「そんなに恥ずかしがらなくても」

美香奈は涼介の顔を見つめながら、彼の額に軽くキスをした。涼介はまだ目を合わせることなく、肩をすくめて目を逸らし続けた。

「……そんなこと、されたら……」

その声は小さく、照れ隠しのように聞こえる。美香奈は涼介の照れた様子を見て、思わず微笑む。

「でも、私はもっと涼介くんを甘やかしたいんだよ」

涼介はそれを聞いて、さらに顔を赤くし、恥ずかしそうに手で顔を隠そうとした。その仕草がまた、無防備で可愛らしく、美香奈は涼介の髪を撫でながら、心の中で幸せを噛みしめた。

「……もう、可愛いんだから」

美香奈はそう言って、涼介の顔を軽く引き寄せると、再びキスをした。涼介は完全に動揺しているが、その顔が幸せそうにも見える。普段の硬さや冷徹さが、こんなにも可愛らしい一面に変わる瞬間を、美香奈は大切に感じていた。

「……美香奈」

涼介は恥ずかしそうにその声を絞り出し、目を閉じたまま、ただ静かに美香奈に寄り添う。美香奈はそのまま涼介の頭を優しく抱きしめ、心の中で、これからもずっとこうして、彼と寄り添っていきたいと思った。
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