エリート医務官は女騎士を徹底的に甘やかしたい
「え、な、なに?本当にどうしたの?」

 動揺して声がうわずっちゃった。そんなことは気にする様子もなく、ガイアは私の手に指をするりと滑らせる。なに!?本当になんなの!?

「ガイア……?」
「これから皆の前で夫婦のふりをしなきゃいけないだろ?ボロが出ないように、少しでも夫婦らしいことをしておいた方がリアル感が増すんじゃないかと思って」

 あ、なるほど。びっくりした!

「う、それならそうと先に言ってよ!突然すぎてびっくりしたじゃない」
「ドキドキした?」
「えっ?……それは、まぁ」
「そっか。それならよかった」

 え、よかったってなんで?それに、まだ手を触ってる。なんだか触り方がいやらしい感じがしてむずかゆい。って、そんなことガイアに対して思ってしまう自分が嫌!

「ね、ねぇ、もうそろそろよくない?」
「んー、まだ、もうちょっと」

 そういって、ガイアは私の手に優しく指を這わせている。気持ち良いのとゾワゾワする感じが同時に押し寄せてきて、体がなんだかおかしい。

 うう、こんなの耐えられないよ。

「……よし、こんなとこか。って、なんて顔してるんだよ」

 手を止めて私を見たガイアは、困ったような、何かに耐えるかのような複雑な表情をしながら、眉を下げて微笑んでいる。

 私、一体どんな顔してるの?

< 12 / 33 >

この作品をシェア

pagetop