エリート医務官は女騎士を徹底的に甘やかしたい
「っ、……ど、どんな顔してるの?」

 私の質問に、ガイアは目を細めてからそっと耳元に顔を近づけてくる。えっ、なに?

「トロンとして、物欲しそうな顔」

 ガイアの低く通る声が耳元に響く。思わずゾクッとして肩が揺れると、ガイアは体を離してクツクツと笑い出した。

「って、ごめんごめん、からかいすぎた」
「なっ!からかったの!?酷い!」

 私、きっと顔が真っ赤になってしまっている。思わずムッとして顔を背けると、ガイアは笑うのをやめた。

「本当にごめんな。あまりにもニーナが可愛い反応するからさ」

 またそういうことを言う!もう乗せられないんだから!そう思っていると、頭にぽん、ガイアの手がおかれて優しく撫でられる。思わず振り返ると、ガイアは愛おしいものを見るような目で私を見つめていた。な、何!?ガイアこそなんでそんな顔してるの!?

「それじゃ、俺は自分の部屋に戻るよ」

 そう言って、ガイアは立ち上がってドアへ歩いていく。ふと、ドアの前で立ち止まってからこちらを見る。

「あ、このドアの鍵もちゃんとかけておけよ」
「なんで?別に大丈夫って言ったじゃない」
「ニーナが大丈夫でも、俺が大丈夫じゃないかもしれないから。……襲われても知らないぞ、マジで」

 最後の言葉のトーンだけいつになく真面目で、思わず目を見開くと、ガイアはフッと微笑んでドアを開ける。

「じゃあな、おやすみ」

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