エリート医務官は女騎士を徹底的に甘やかしたい

13

「私、本当に大丈夫かな」

 ガイアと私の思いが通じ合って、本当の意味で婚約者になってから数日後。私はガイアのおばあさまに会いにいくことになった。いつもの騎士服とは違う、令嬢が着るような綺麗な服に身を包み、化粧をして髪型も綺麗に整えると、ガイアは私を見て嬉しそうに微笑んだ。

「素敵だよ。いつもの騎士服もかっこよくて似合ってるけど、今日はとても綺麗なご令嬢にしか見えない」

 あまりにも嬉しそうにそういうから、照れてしまう。そんなことを言うガイアこそ、いつも以上に身綺麗で見惚れてしまうほどかっこいいのに。

「私、男爵家だし今は身寄りがなくて一人だし……反対されないかな」
「前にも言ったけど、俺は次男でそもそも後継じゃない。医務官として自立してるし、今更家柄どうこう言われることはないよ。ずっと結婚を拒否してきた俺が、惚れ込んだ相手を連れていくってだけでも相当な驚きだと思う。むしろ大歓迎されると思うよ」

 ガイズはそう言って私の手をそっと優しく掴んでくる。それならいいんだけど……。

「祖母にも嘘つかなくて済むし、本当によかった」
「そうだね」

 そう言ってから、私はそっとガイアを横目で見上げる。最初、ガイアは協力してくれと言って私に契約結婚を頼んできた。でも、それからガイアは私を徹底的に甘やかしてきたたし、周囲にも二人の仲をわざと見せつけるような行動をとっていた。もしかして、私は気が付かないうちにいつの間にかガイアの手の中にすっぽりと囲われていたんじゃないだろうか。
 遅かれ早かれ、こうなることはガイアの思惑通りだったんじゃないのか、そう思えてしまう。おばあさまに嘘をつくつもりなんて、本当は最初からなかったんじゃないのかな?もしもそうだとしたら、私はとんでもない相手に好かれてしまったことになるかもしれない。

 それでも、私はそんなガイアのことを好きになってしまった。そして、そんな風にしてまで私のそばにいたいと思ってくれるガイアの気持ちが、嬉しいと思えてしまうのだ。

「それじゃ、行こうか」

 ガイアにつかまれた手を見つめて、しっかりと握り返す。

「うん」

 ガイアを見上げると、陽の光に照らされたガイアの綺麗な笑顔が私に向けられていた。
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