幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話
「あ、この宿は僕、行ったことありますよ。
 いい宿でしたよ」

「誰と行ったんですか?」
と参考にか、今度は充悟が突っ込んで訊いている。

 征也は、はは、と笑い、
「前の妻と行きましたね」
と言う。

 うーん。
 前の妻と。

 なかなかインパクトのある言葉だ。

 充悟さんも誰か女性と行った宿とかあるのかな。

 そこに行くのは、いくらいい宿でも嫌だなあ、などと考えていると、その顔を見て、征也が言う。

「晴乃さんは純粋だから、過去のある男はお嫌いなんでしょう。
 でもまあ、この年で過去がない男なんていな……」

「俺はない!」
と充悟はこちらに向かい、主張してくる。

「俺はない。
 俺様だから!」

 ……俺様関係ありません、と晴乃は思ったが。
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