幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?
コンビニに寄ったあとに家に帰る途中、三波家にバッタリ会った。
一家揃って、どこかへ行くんだろうか。
沙菜もいる。
木田とは約束しなかったのか?

「あら!蓮君!あけましておめでとう」

沙菜の母ちゃんがオレに気付き、元気に話しかけてくれた。

「あけましておめでとうございます」

立ち止まり、3人に向けてきちんと挨拶する。

「なんだ、一人か」

と、これは沙菜の父ちゃんだ。

「親父はさっき仕事に行きました」

「そうなの。
じゃあ、良かったら、一緒に初詣行かない?私たち、これからなのよ」

「今行ってきた帰りですから」

「そう?これから予定あるの?」

「家で寝正月です」

「じゃあ、あとでお節届けてあげるわ。ううん、なんならうちに来たらどうかしら?」

「お母さん。強引」

沙菜が制止する。
そりゃそうだよな。オレと正月を過ごしたいはずがない。
ありがとうございます。でも、大丈夫です」

一礼して、オレは三波家の横を通り過ぎた。

「沙菜も誘ってあげればいいじゃない」

沙菜の母ちゃんの声が後ろから聞こえてきた。
宣言通り、家に帰るとテレビをつけてソファでゴロゴロした。
小腹が空けば、コンビニで買ってきた食料を適当に食べた。
暇だし、気晴らしに外に出ても良かったけど、家にい続けた。
オレは期待していたんだ。
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