タイプではありませんが
※
その言葉を思い知るのは、星野の家についてからだった。
「ちょっ……」
「待たない」
入るやいなや、玄関で唇を塞がれる。
唇同士が触れるだけの優しいキス。いや、強引に塞がれているから行為自体は優しくないんだけど。
外の風で冷たくなっていた唇が、お互いの体温で温められる。
「好きだっていってるのに。どうしたら信じるんよ」
呆れたように笑いながら、どこか楽しそうに何度も触れる。
「意外と人間不信だよね。というか男不信?」
「……るさいなぁ。慣れて無いの、追われるのは」
「じゃあ、俺で慣れてよ」
ずっと彼女がいないなんて嘘のように手慣れてる口づけを繰り返す星野だったが、受け止めている楓の腰が砕けそうになる手前で、パタリと止める。
「え?」
「寒いからそろそろ入ろうか。それとももっとしてほしかった?」
「……っ。そんなこと無いし!」
つい強い口調で反論する楓に楽しそうに笑い声を上げると、星野は先に廊下へと歩を進めたのだった。