タイプではありませんが
13.挫折したことあるんだ?
「ホッシーって挫折したことあるんだ?」
「……あるよ。ってか挫折しまくり」
「うそだぁ」
ジロッと星野に睨まれる。そんな真っ赤な顔で見られても全然怖くないけど。
「いやいや本当だって」
楓とやり取りするうちに少し落ち着いたのか。
本棚の前にいる楓の手から、挫折の証の本を奪い取ると奥付を見せた。
そこには。
「えっと九年前……?」
「そっ。大学のときに挑戦してたの。それで経営学部選んだようなもんだし。留学してたのも経営関係。……俺、大学受験失敗した口でさ」
珍しく過去のことを饒舌に話す星野。話を聞いていた楓だが、ふと引っかかる。
「失敗したって、ホッシー確か……」
日本でもトップレベルの私大だったはずだ。それで失敗と言われたら楓の出身大学なんて。
ムッとした楓に星野は慌てて言い繕う。
「いや、そういう意味じゃなくて。第一志望の国立失敗してんの。高校まで順調でさ、模試でも合格圏内だったんだけどね」
星野は志望していた大学名を口にする。日本でも経営で有名な国立大学だった。
超難関の二校を挙げてくる星野に、楓は感嘆する。