タイプではありませんが
「でもさ、結局それだけなんだよね。大学だって東京に出たかったから、本当はどこでもよかったんだ。要領いいから勉強するのは苦じゃなかった。理系科目は駄目だけど、数学が得意だから経営学部。第一志望の国立には落ちたけど大学は合格した私大の中で一番偏差値が高いところ。金融関係の資格はいくつも挑戦したけど、公認会計士だけはあと数点足りなくて不合格。就職先は希望していた金融機関は駄目だったから、第二志望の業界で一番先に内定もらった会社」
「それだって……」
ホッシーの努力だよ、と言いかけて楓は口を閉じる。
直感だが、星野が欲しい言葉は違うような気がしたのだ。
しばらく黙りこくって星野の言葉を反芻する。
楓には羨ましいと思う経歴。
だけど星野自身はそうは思っていない。
んー、と唸って考え込んだ楓を星野はそっと見守る。
楓は考える。星野が語った中でいくつか、重要なポイントがあったはず。
自虐的な話し方。
挫折した、と言ったこと。
要領がいいと言いながらどこか卑下しているところ。