タイプではありませんが

「その時さ、思ったんだ俺の中で悔しいって気持ち、あったんだって。で、山下をめちゃくちゃ観察してた。飲みに誘ったりして」
「え?あっ、それで!」
 最初は星野とそこまで仲良くなかったのだ。ある時に急に接点が増え、話すようになり、同志のような関係になったのだ。
 一つ謎が解けて、楓はスッキリする。

「そう。山下って本当に何事にも全力でさ、最初はすっげぇ非効率な子だなって思っていたんだよね」
「……さいですか」
 はぁ、と楓はため息をつく。やっぱり貶されている気がして仕方ない。
「そう怒るなって。……俺にとっては無駄に見えるのに、山下はそれで成績上げていて。だから悔しかったし、どうやって営業しているのか知りたくなった。で、そのうち対象が仕事っぷりだけじゃなく、楓自身をもっと知りたくなって、気づいたら好きになっていた」
「……」
 サラリと好きになったきっかけを付け加えられて、楓は返事ができなくなる。
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