タイプではありませんが
そして、楓はもう一つ考えないといけないことがある。
星野とのお試し交際の期限も迫っているのだ。こっちは答えを出さないといけない。
いや、星野のことだ。このまま有耶無耶でなし崩しに付き合っていくのも了承してくれるだろう。
それは楓の良心が許さない。
散々星野の気持ちを弄んでいるのに、良心が咎めるなんて今更だ。
断るなら最初に毅然と断るべきだったのに。
考えれば考えるほど、自分の気持ちがどんどん良くない方に進んでいくのだ。
はぁ~、と楓は三度ため息をつく。
どれも中途半端だ。自覚はしている。だけど、どこまでいっても堂々巡り。
一人で悩んでいても解決しないのに。
相談に乗ってくれ、いや、話だけでも聞いてほしいと言えば、星野だって琴美だってすぐに会ってくれることはわかっているのに。
楓はどうしてもその一言を言い出せなかった。
これが業務だったらすぐに上司に相談できた。今星野と対等な立場なら飲みながら愚痴混じりに話せた。琴美が産休中でなくて楓と同じように独身で働いていたら悩みを吐露できた。