タイプではありませんが
※
「総務……ですか?」
「ああ。行けるか?」
滅多に話さない部長から面談の時間を設けられた時から、異動の話だと察してはいた。
が、異動先が意外すぎて、楓は戸惑った。
「ま、断れないけどな」
困ったような表情を作ると、部長は、ここで話したことはオフレコな、と言い添え、楓の異動の理由を話しだした。
「うち、一応上場企業だろ?」
「はい」
「で、営業は勤務時間外の業務が多い、と」
「そうですね。残業も休日出勤も多いですし」
「そう。で、山下は病気になっただろう」
楓は察しがついた。表情から部長にも伝わったのだろう。そういうことだ、と頷いた。
「バセドウ病はストレスが誘引になるそうだな。で、会社としても定時に帰れて負担がない部署に異動させたほうがよい、という判断だ」
「……ありがとうございます」
本音は違う。けど、楓はそう言うしか無かった。
むしろありがたい判断だと感謝しないと。体のことを気遣ってもらえる。そんな会社は中々ない。