タイプではありませんが

 薄々は感じていた。今の営業事務の仕事は本来営業がすべき仕事で、手が回らない一部の業務を派遣社員を雇って依頼している。
 仮にも主任の役職がついている楓が費用対効果を考えるとずっと居れる場所ではない。

「ここまでは、会社の意見。こっからは俺の話」
部長は改めて楓に向き合うと、話しだした。
「現場からは、山下を残してくれと言われていた。お前のように現場がわかるヤツがいたほうが営業に同行して補佐もできるし、新入社員のフォローもOJT担当が手が回らないところのフォローもできるから」
 自分が評価されていることは、ただただ嬉しかった。

 もちろん、派遣社員に依頼している業務はあるが、入力や営業が用意した資料の印刷程度しかない。
 セキュリティの都合上、営業がアクセスできる権限と事務がアクセスできる権限が違うためだ。
 楓は幸いにも営業から一時的に事務の仕事に移っていただけだったから、両方にアクセスできるし経験もあったことから、資料作成等もしていたけど。
< 124 / 166 >

この作品をシェア

pagetop