タイプではありませんが
「内緒にします」
「頼むぞ」
部長はそういうと、楓に話した。
「山下の年齢的に、病気にならなくても数年以内に内勤に異動になっただろう。産休育休時短になった時に誰かしらフォローしやすい部署に」
「……そうですか」
なんとなく察していた。この会社で女性が出世できる部署は決まっている。
上場企業として、働く女性が活躍できるように力を入れているとアピールしていても、だ。
産休育休も取りやすい。時短勤務も小学校低学年まで。育児中の男性も時短勤務ができるし、女性の役職者もいる。
だが、それは内勤に限ってだ。
対取引先の部署、クライアントの都合で長時間勤務になる可能性がある部署――営業や広報、企画などで外回りが必要な部署――は一定の年数が経つと原則内勤に異動になるのだ。
もちろん女性だけ異動となると目立つから、同じ階級なら大抵は同時期に男性も異動になる。
だが、男性社員には裏道があるのだ。
「星野は残す。すぐわかるだろうからいうが、あいつは春から係長だ」
「……はい」