タイプではありませんが


 味がしなくなったうどんをすすり、小さく「ごちそうさま」と言うと楓も食堂を後にした。


 その日の内に星野から詳細は送られて来た。楽しみにしている、とメッセージ付きで。
 楓は何度もその文章を読みながら自分の気持と対峙する。
 食堂で無視した気持ち。一人になるとその気持ちが大きくなってくる。

 羨ましい。
 妬ましい。
 ズルい。

 一緒にいれば払拭できるかもと思っていたのに。
 好きになるのと同じくらいの強さで嫉妬心は募るのだ。
 話も合うし、尊敬もできる。
 告白されてから見せる色んな顔も愛しく思う。
 楓のモヤモヤした気持ちを受け止める度量もある。
 負の感情をぶつけることすら、星野は嬉しいと言ってくれるだろう。
 至らない楓を優しく包んで守ってくれるだろう。
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