タイプではありませんが
「でも山下も決めてきたんだろ?」
「……うん」
「だと思った」
苦笑いを浮かべる星野。少しだけ悔しそうな顔は誰に向けているものなのか。
問いかけようとして、楓はやっぱり止める。
振る相手なのに同情してどうするのか。
そんな表情をさせているのは自分だ、とわかっている。
だけどそのことを星野の口から言われたらショックを受ける。
こんな時まで自分のことしか考えられないことに、楓は嫌悪を覚える。
「ごめんね。そんな顔させたかったわけじゃないんだ」
星野の指が楓の頬を撫でた。かと思うと、親指と人差指で軽くつねられる。
「ちょっ、何するのよ」
キッと睨む楓に安心したように星野は笑った。
「そっちのほうがいいや」
指がつねった頬を撫でる。その手がゆっくり下に降りて、テーブルの上に置いていた楓の手を包みこんだ。