タイプではありませんが


 いつからか、食べても食べても太らないのも、夏に異様に汗をかくのも、時々動悸がするのも、疲れやすいのも、仕事に邁進しているからだと思っていた。
 毎年の会社の健康診断でのどの腫れを指摘されたこともあったが、要観察だったし忙しさにかまけて再検査に行くことはなかった。
 きっかけは手の震えと顔つきが変わってきたと指摘されたからだ。
「山下ー、なんかきつい顔になったね。なんか病気じゃない?」
 そのことが頭にひっかかり、検査に行ったところ発覚したのだった。

 あまりにも数値が悪かったのだろう。上限は測りきれなかった。
 即座に治療開始して。そして薬の副反応で白血球が減少して緊急入院した。
「今は治すことだけ考えよう。会社としても山下の体調面に配慮して、営業から事務に異動になる」
 見舞いに来た課長に告げられた言葉に、頷くしかなかった。
 せめてもの救いが、同じ課内での異動で営業事務という今までと近い仕事だったこと。
 退院し、引き継ぎを済ませた楓は営業事務として内勤の仕事に従事したのだった。
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