タイプではありませんが
※
家に帰った楓はソファに座りこんだ。
病院は疲れた。相変わらずの激混みだったし。
毎回採血があるのもツラいところだ。
だが、その後の星野との過ごした時間は正直言って楽しかった。
フラレたばかりなのに。
もう男なんてコリゴリ。せめて病気が安定するまでは。
その気持ちが吹き飛ぶくらいには有意義な時間だった。
星野とは元々感性は似ているのだ。
同期で営業のよしみで良く一緒に研修も受けたし、気楽に相談もできる。
だが、あくまで会社での友人。会社終わりに飲みに行くことはあったが、プライベートで会ったのは今日が初めてだった。
仕事の話を一切抜きで過ごした時間。話題は尽きることはなかった。
だけど、星野に男は感じない。流石に手をつなぐ、と聞かれたときは恥ずかしさが勝ったが、駅で手が触れた時にも、当たった、と思っただけだ。
恋をしているみたいにドキドキすることも、心がときめくこともない。
そもそも楓のタイプとは違うのだ。