タイプではありませんが
背が楓より十センチは高くて、男気があって。無骨なまでの男臭い男性が好きなのだ。
昔から男勝りだと言われてきた楓でも女性でいられるくらいの。
そんな男は大概楓を振り回すけど、またそれもいい。一筋縄ではいかないところがいいのだ。
営業の仕事と同じで。
周りからは男の趣味が悪いと言われるけど。
だが、星野は真逆だ。物腰が柔らかく、柔軟で勉強熱心で。
気遣いもできるし、かと言って自分を持っていないわけではない。
背も一七〇センチは超えているから低いわけでは無いし、顔も整っている。
一般的にモテるのは星野だろう。
だけど心は動かない。だから、近いところで仕事をしていても気にならない。
それに、星野といると現実を突きつけられるのだ。
営業としてキラキラと輝いていた自分。
あそこのポジションにずっといたかったのに。
星野は今もあそこで輝いている一方、楓は病を抱えてくすぶっている。
ただの同僚ならいいのだ。だけど、付き合うのならこの卑屈な自分の感情にも向き合わないといけない。
今の楓は、その心のゆとりをもてない。