タイプではありませんが
昔の田舎の考え方だ。女は学をつけるよりも早く嫁に行って子を産み、育てるのが幸せ。
その考えで育っている母には、女なのに四大に進み、総合職で就職し、ひとり暮らしして、彼氏の一人も紹介しない楓は心配のタネなのだ。
ちょうど妹の桜のように。
就職の際も母とは揉めたのだ。「女なのに総合職だなんて」と。内定をもらった会社がそこそこ社名が通っている会社だったのと、父と兄に諌められてなんとか母は折れた。
だから、父と兄に見つからないように母は楓に話すのだ。
それがますます楓の足が実家から遠ざかることになるのだが。
「オフクロはお前にだけ厳しいからな」
わかっているというように笑う柊は、どことなく星野を感じさせる。空気を読み、場を壊さないようにサラリと受け流す。
何事にも興味が無さそうな顔をして、その代わり、よく人のことを観察している。
今まで柊を星野に似ていると思ったことはなかったのに。楓が星野を意識しているからそう見えるのか。
と、楓は頭を左右に振る。私は何を考えていたのか、と。